物をつかんで持ち上げる時、タオルを絞る時、ドアノブを回す時…肘の外側に「ズキッ」とした痛みを感じることはありませんか？特に、手首を返すような動作で痛みが強くなるなら、それは「テニス肘（上腕骨外側上顆炎）」かもしれません。
「テニス肘」という名前を聞くと、「テニスをしていないから関係ない」と思われるかもしれません。しかし、実はテニスをする人だけでなく、家事や育児、デスクワークなど、日常的に手首や指をよく使う方に非常に多く見られる症状なんです。
「たかが肘の痛み」と軽視して放置していると、やがてコップを持つ、ペンを握る、スマートフォンの操作といった、日常生活のちょっとした動作も辛くなり、生活の質が大きく低下してしまいます。今回は、テニス肘が一体どんな症状で、なぜ起こるのか、そして当院がどのように皆さんの肘の悩みを根本から解決していくのかを、詳しく分かりやすく解説します。
テニス肘ってどんな痛み？特徴的な症状をチェック
テニス肘は、正式には「上腕骨外側上顆炎（じょうわんこつがいそくじょうかえん）」と呼ばれます。これは、肘の外側にある骨の突起（上腕骨外側上顆）の周辺に炎症が起き、痛みが生じる状態です。この部分には、手首や指を反らせる（甲側に曲げる）ための筋肉の腱が付着しており、これらの腱に繰り返し負担がかかることで炎症が起こります。
主な症状は、以下の通りです。
- 肘の外側のピンポイントな痛み:
- 肘の外側、特に骨の出っ張った部分のあたりが痛みます。指で押すと、痛む場所がはっきりしていることが多いです。
- 症状が進行すると、前腕（肘から手首の間）全体に痛みが広がることもあります。
- 特定の動作で誘発される痛み:
- 物を掴んで持ち上げる時: 特に、手のひらを下にした状態で重いもの（買い物袋、鍋など）を持ち上げる際に痛みが誘発されやすいです。
- タオルや雑巾を絞る時: 手首を強くひねる動作で痛みが走ります。
- ドアノブを回す時や、瓶の蓋を開ける時: 日常的なひねり動作でも痛みを感じます。
- キーボードを長時間打つ、マウスを操作する時: 細かい指や手首の反復動作が痛みを引き起こすことがあります。
- テニスでバックハンドストロークを打つ時: 特に、手首を強く使う打ち方で痛みが悪化します。
- 安静時は痛くないことが多い:
- じっとしている時や、肘を曲げ伸ばしするだけの動作では、痛みを感じないことがほとんどです。しかし、上記のような特定の動作を行うと痛みが強く誘発されます。
- だるさや重さ、筋力低下:
- 痛む部分だけでなく、前腕全体にだるさや重さを感じたり、握力が低下したりすることもあります。
- 痛みの悪化と慢性化:
- 軽度のうちは気にならないかもしれませんが、放置して使い続けると、炎症が慢性化し、ちょっとした動作でも痛みを感じるようになり、最終的には日常生活に大きな支障をきたすようになります。
なぜテニス肘になるの？原因とリスク要因を徹底解説
テニス肘の最大の原因は、手首や指を反らせる筋肉の**「使いすぎ（オーバーユース）」と、それに伴う肘の外側への「繰り返し加わる過度な負担」**です。
具体的なリスク要因は多岐にわたります。
- 手首・指の酷使と反復動作:
- 家事・育児: 雑巾絞り、食器洗い、洗濯物の絞り、重い鍋を振る、抱っこ、おむつ替え、ベビーカーの操作など、日常生活で無意識に手首や指に負担をかけている動作は非常に多いです。
- 仕事: デスクワークでの長時間キーボード入力やマウス操作、工場での反復作業、ドライバーや工具を使う作業、美容師さんのハサミを使う動作など、手首や指を繰り返し使う職業の方は特に注意が必要です。
- スポーツ: テニス（特にバックハンドストローク）、ゴルフ（ダフった時など）、バドミントン、卓球など、手首を返す動作が多いスポーツは典型的な原因となります。
- 不適切なフォーム・道具・環境:
- スポーツフォーム: テニスでのバックハンドフォームの誤り（手首の過度な使用、体幹を使わない手打ちなど）、ラケットのグリップサイズが合っていない、ガットの張りが硬すぎるなど。
- 作業環境: パソコンのマウスやキーボードの高さが合っていない、椅子の高さが不適切、作業姿勢が悪いなど。これらは腕や手首、ひいては肘に不自然な負担をかけ続けます。
- 体の柔軟性・筋力不足とバランスの崩れ:
- 前腕や手首の柔軟性不足: 手首や指を動かす筋肉が硬くなっていると、投球時に必要な動きが確保できず、特定の組織に負担が集中します。
- 肩や体幹の筋力不足・機能不全: 肘の痛みは、実は肩や体幹（体の軸）の安定性が不十分な場合にも起こりやすくなります。体幹が弱いと、腕だけで動作を行おうとし、そのしわ寄せが肘に集中してしまうのです。
- 全身の連動性不足: スポーツ動作や日常生活動作において、全身がスムーズに連動して動けていない場合、特定の関節（肘）に過剰なストレスがかかります。
- 加齢による変化:
- 腱の組織は、加齢とともに柔軟性が低下し、微細な損傷からの回復力が落ちて傷つきやすくなる傾向があります。そのため、40～50代以降で発症する方が多く、「加齢性変化」も一因とされています。
痛みを我慢しないで！早めの対処が何よりも大切です
テニス肘の痛みは、「使わなければ痛くないから大丈夫」と自己判断してしまいがちです。しかし、我慢して使い続けることは、**炎症の慢性化を招き、治癒を非常に困難にさせます。**軽度なうちは休めば治っていたものが、症状が進むと、ちょっとした動作でも激痛が走るようになり、日常生活はもちろん、仕事や趣味にも大きな影響が出てしまいます。
肘の外側に痛みや違和感を感じたら、決して放置せず、専門家である当院にご相談ください。
当院では、肘の痛む場所を特定するだけでなく、手首や指の動き、前腕の筋肉の状態、さらには全身の姿勢や体の使い方、日常動作の癖などを丁寧に評価します。画像検査機器はありませんが、豊富な知識と経験に基づいた丁寧な診察と機能評価でテニス肘の可能性を判断し、あなたの症状に合わせた適切な治療とサポートを提供します。
テニス肘の回復と再発予防のために、当院ができること
テニス肘の治療の基本は、**「痛みを引き起こす動作の負担軽減」と、「根本的な原因の改善」**です。私たちは、単に痛い部分だけを診るのではなく、痛みが再発しない体づくりを目指します。
- 痛む動作の調整と指導: まずは炎症を鎮めるために、痛みを誘発する動作を一時的に控えたり、その動作の仕方自体を改善するためのアドバイスをします。
- 前腕・手首の機能改善: 肘への負担を軽減するため、硬くなった前腕の筋肉を調整し、手首や指の動きをスムーズにするための手技や、必要な部位の機能改善に焦点を当てます。
- 筋力強化と全身の連動性改善: 肘への負担を根本的に減らすためには、手首や指だけでなく、肩や体幹など、体全体の連動性を高めることが不可欠です。適切なエクササイズ指導を通じて、全身を使った効率的な体の使い方を習得していただきます。
- 日常生活・スポーツ動作の改善: 家事や仕事、スポーツ時のフォームや道具の見直し、正しい姿勢のとり方など、肘への負担を減らすための具体的なアドバイスを、あなたの生活習慣に合わせて行います。
- 再発予防のセルフケア: 痛みを悪化させないためのセルフケア方法（例：適切なウォーミングアップ、練習後のクールダウン、栄養摂取、質の良い睡眠）など、回復を促進し、将来的な再発を防ぐための具体的な指導を行います。
肘の痛みで日常生活が辛い、好きなテニスや家事を諦めている…そんなお悩みがあるなら、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたの肘の痛みに寄り添い、快適な毎日を取り戻せるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。
院情報
Sprout整骨院
住所：埼玉県さいたま市浦和区常盤9丁目19-4 P’sスクエア常盤2F
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当院ではスポーツ外傷・障害に特化した施術を行なっています。
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