みなさん、肩を上げた時に、耳の横までしっかりと上がりますか?
当院に来院される患者さんの中には、足の痛みで来院されて、肩の動きを確認すると、両腕がしっかりと最大まで上がるかたがとても少ないです。
気づかないうちに動きの制限が出ており、また、それに気づいていない方がほとんどです。
その制限を放置してしまうと、四十肩・五十肩で痛みが長く続いてしまうことがあります。
今回はそんな四十肩・五十肩を防ぐために、ラジオ体操が最強の予防法であることについてお話ししていこうと思います!!
「いつの間にか五十肩」を防ぐ!ラジオ体操が最強の予防法である理由
「最近、肩が上がりにくい」「腕を後ろに回すとつっぱる感じがする」…そんな予兆を感じていませんか?それは、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)が忍び寄っているサインかもしれません。
40代から60代にかけて多く発症し、一度なると完治に数ヶ月から数年かかることもある五十肩。そのつらい症状は、日々の少しの心がけで予防できる可能性があります。そして、その最強の予防法として、私たちが子供の頃から慣れ親しんでいる「ラジオ体操」が非常に有効であることをご存知でしょうか。
今回は、なぜラジオ体操が五十肩の予防にこれほど適しているのか、その科学的根拠を紐解きながら、その効果を最大限に引き出すための実践方法について、専門家の視点から詳しく、分かりやすく解説します。
なぜ五十肩は起こるのか?予防の鍵は「肩甲骨」と「胸郭」
五十肩は、肩関節の炎症や組織の癒着が原因とされていますが、その根本には、日々の生活習慣が引き起こす「肩関節の可動域の低下」が深く関わっています。特に、予防の観点から最も重要なのは、肩関節の土台となる「肩甲骨」と、その肩甲骨が乗っている「胸郭(きょうかく)」**の動きをいかに保つか、ということです。
- 肩甲骨の役割: 肩甲骨は、腕を動かす際に肩関節と連携して動く、非常に重要な骨です。腕を頭上まで上げるには、肩甲骨が上向きに回転する必要があります。
- 胸郭の役割: 胸郭は背骨(胸椎)と肋骨で構成され、肩甲骨の動きを支える土台です。猫背の姿勢が続くと、胸郭が硬くなり、肩甲骨の動きを妨げてしまいます。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、猫背の姿勢を助長し、胸郭と肩甲骨を硬くします。これにより、肩の動きが悪くなり、肩関節に過剰な負担がかかることで、炎症が起きやすい状態になってしまうのです。
ラジオ体操が五十肩予防に優れている3つの理由
一見シンプルに見えるラジオ体操には、肩関節周囲炎の予防に不可欠な要素が、驚くほどバランス良く組み込まれています。
① 肩甲骨と胸郭の柔軟性を高める
ラジオ体操には、肩甲骨や胸郭を多方向に動かすための工夫が凝らされています。
- 腕を前から上へ、後ろへ: 腕を上げる動作で肩甲骨を背骨に引き寄せ(内転)、胸を開くことで、猫背で硬くなった胸郭を伸展させます。
- 体を横に曲げる運動: この動きは、肋骨と胸椎の動きを促し、胸郭全体の柔軟性を高めます。
- 体を回す運動: 体幹の回旋を伴うこの運動は、胸椎の動きを改善し、肩甲骨がスムーズに動くための土台を整えます。
これらの動きを毎日行うことで、肩の動きの「土台」が固まるのを防ぎ、肩関節への負担を減らすことができます。
② 全身の筋力バランスを整える
ラジオ体操は、特定の筋肉だけでなく、全身の筋肉をバランス良く使うように設計されています。
- 姿勢の改善: 猫背で弱くなった背中の筋肉(菱形筋や僧帽筋など)を活性化させ、縮こまった胸の筋肉(大胸筋など)をストレッチします。
- 協調性の向上: 下半身と上半身を連動させる動きが多く、体のバランス感覚と協調性を高めます。これにより、肩に不必要な力がかかるのを防ぎ、正しい体の使い方を身につけることができます。
③ 習慣化しやすい手軽さ
予防は「続けること」が何よりも大切です。ラジオ体操は、以下の点から非常に習慣化しやすいのが大きな利点です。
- 短い時間: たった3分程度で完了するため、忙しい朝でも手軽に行えます。
- 特別な道具が不要: どこでも、誰でも、すぐに始めることができます。
- リズミカルな音楽: 音楽に合わせて体を動かすことで、楽しく続けられます。
ラジオ体操の効果を最大限に引き出すためのポイント
ただ漫然と体を動かすだけでなく、以下のポイントを意識することで、その予防効果は飛躍的に高まります。
① 意識を向ける「4つのポイント」
- 肩甲骨を動かす: 腕の動きだけでなく、肩甲骨が背骨から離れたり、近づいたりする動きを意識しましょう。
- 胸を開く: 猫背にならないように、胸を張って行うことで、胸郭の柔軟性を最大限に引き出します。
- 呼吸を意識する: 動作に合わせてゆっくりと息を吐き、吸い込みましょう。これにより、筋肉の緊張がほぐれ、リラックス効果も得られます。
- 全身の連動を意識する: 「体は繋がっている」という意識を持ち、足や体幹から動きが始まることを感じながら行いましょう。
② 継続は力なり
毎日継続することが最も重要です。朝起きた後、仕事の合間、お風呂に入る前など、自分に合ったタイミングを決めて、日々のルーティンに組み込みましょう。
まとめ:ラジオ体操で「予防」という名の健康貯金
肩関節周囲炎は、一度発症するとQOL(生活の質)を著しく低下させます。しかし、その多くは日々の生活習慣が積み重なって引き起こされるものです。
ラジオ体操は、全身の関節と筋肉をバランス良く動かすことで、五十肩の根本原因である「肩の可動域の低下」を防ぐ、非常に優れた予防法です。たった数分の体操が、将来のつらい肩の痛みを防ぐ「健康貯金」になるのです。
もし肩に少しでも違和感を感じ始めたら、今日からラジオ体操を始めてみましょう。そして、特に痛みがない方も、将来の健康のために、ラジオ体操を日々の習慣にすることをお勧めします。
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