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股関節の手術について

股関節の痛みの原因となる病気(特に変形性股関節症や大腿骨頭壊死症など)に対する手術には、大きく分けて「関節を温存する手術」「関節を人工物に置き換える手術」の2種類があります。

患者さんの年齢、疾患の進行度、変形の程度、日常生活の活動レベルなどを総合的に考慮して、最適な手術方法が選択されます。

 

1.人工股関節置換術(THATotal Hip Arthroplasty

人工股関節置換術は、傷んだ股関節の軟骨や骨を取り除き、人工の関節(インプラント)に置き換える手術です。股関節の痛みを劇的に改善し、関節の機能を回復させる、最も広く行われている手術です。

手術の概要

  • 適応: 変形性股関節症の末期、特発性大腿骨頭壊死症で骨頭の破壊が進んでいる場合、関節リウマチなど。主に50歳以上の患者さんで第一選択となることが多いです。
  • メリット:
    • 股関節の痛みが著しく改善する。
    • 術後早期からのリハビリが可能で、早期の歩行再開や日常生活への復帰が期待できる。
    • 関節の可動域が改善し、脚の長さも調整できる。
  • アプローチ(侵入法):
    • 皮膚や筋肉を切開する方法(アプローチ)には、前方アプローチ(DAA後方アプローチ(PL側方アプローチなどがあり、それぞれ脱臼のリスクや術後の回復速度に違いがあります。近年では、筋肉へのダメージを最小限に抑える**最小侵襲手術(MIS)**が普及しています。

 

2.関節温存手術(骨切り術など)

関節温存手術は、自身の関節を温存したまま、骨の一部を切って角度や向きを変えることで、関節にかかる負担を分散し、痛みを軽減して関節の寿命を延ばすことを目的とした手術です。

骨切り術(こつきりじゅつ)

股関節の形が不完全な場合(臼蓋形成不全など)や、変形がまだ軽度から中度の場合に選択されます。

種類

対象となる部位

主な目的と適応

寛骨臼回転骨切り術(RAO

骨盤側(臼蓋:受け皿)

臼蓋の骨を丸くくり抜き、回転させて被りを良くし、大腿骨頭(ボール)を十分に覆う「屋根」を作る手術。主に臼蓋形成不全による初期〜進行期の変形性股関節症の**比較的若い方(主に50歳以下)**に適用されます。

棚形成術(たなけいせいじゅつ)

骨盤側(臼蓋)

臼蓋の上部に骨片などを打ち込み、骨頭を覆う「棚」を形成して荷重面を広げる手術。

大腿骨骨切り術

大腿骨側(太ももの骨)

大腿骨の角度を変えることで、関節にかかる力を分散させたり、傷んでいない関節面を荷重部にするように修正する手術。大腿骨頭壊死症変形性股関節症で用いられます。

キアリー骨盤骨切り術

骨盤側

骨盤の骨をまっすぐ切ってずらし、骨頭を骨盤の骨で支えるようにする手術。

  • 適応: 主に50歳以下で、関節の軟骨が比較的残っている患者さん。
  • メリット: 自分の関節を温存できるため、感染や脱臼などの人工関節特有の合併症リスクがない。
  • デメリット: 骨がくっつくまでに時間がかかるため、人工関節置換術よりも入院・リハビリ期間が長くなる傾向がある。

 

3.その他の手術

種類

概要と適応

関節鏡視下手術(かんせつきょうしかしゅじゅつ)

関節に小さな切開(数mm~1cm程度)を開け、内視鏡(関節鏡)と器具を挿入して行う手術。股関節唇損傷や**大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)**など、比較的軽度の疾患や関節内の病変の診断・治療に用いられます。傷んだ軟骨や組織の切除、関節の洗浄などが行われます。

人工骨頭置換術(BHA

股関節の大腿骨頭(ボール側)のみを人工物に置き換え、骨盤側(臼蓋)は温存する手術。主に大腿骨頚部骨折や、大腿骨頭壊死症で臼蓋に大きな変形がない場合に選択されます。

筋解離術(きんかいりじゅつ)

股関節周囲の筋肉を部分的に切り離し、関節への圧力を減らして痛みを軽減する手術。低侵襲ですが、適応は限られ、成績が安定しないため、最近はあまり行われません。

 

4.【重要】手術方法の選択について

どの手術法が最適かは、専門医による詳細な検査(X線、CT、MRIなど)と診察、そして患者さん自身の生活背景や希望を踏まえて決定されます。

特に、関節温存手術(骨切り術など)は、「人工関節を一生ものにするには耐久性の問題がある」という理由から、若年者に優先的に検討されます。一方、人工股関節置換術は、変形が進んで保存療法や温存手術が困難な場合の最終的な根治的治療として非常に有効です。

股関節の痛みでお悩みの場合は、まずは股関節専門の整形外科医に相談し、ご自身の病状と生活スタイルに合った最善の治療法を選択することが重要です。

 

5.上記の主な2つの手術のリスク

股関節の痛みを解消するための主要な手術方法である「人工股関節置換術(THA)」と「関節温存手術(骨切り術)」について、それぞれの主なリスクと特徴を比較しながら解説します。

これらのリスクは、一般的に報告されているものであり、実際のリスク発生率は患者さんの状態、手術方法(アプローチ)、担当医の経験、術後のリハビリテーションによって異なります。

1.人工股関節置換術(THA)の主なリスク

人工股関節置換術は、人工物(インプラント)を体内に埋め込むため、それ特有の合併症リスクがあります。

リスクの種類

概要と特徴

発生時期

脱臼

人工関節のボール部分が受け皿から外れること。術後数ヶ月の筋肉が安定しない時期が最もリスクが高い。特定の無理な動作(深く曲げる、内側にひねる、足を組むなど)で発生する。

術後早期〜長期

感染症

術野に細菌が侵入し、人工関節が感染すること。難治性であり、再手術が必要となる可能性が高い(人工関節を取り出して洗浄・交換など)。歯周病や水虫からの二次感染(晩期感染)にも注意が必要。

術後早期〜長期

深部静脈血栓症(DVT

足の静脈に血の塊(血栓)ができること。この血栓が肺に飛ぶと**肺塞栓症(PE)**となり、命に関わる重篤な状態を引き起こす。

術後早期(特に安静期間中)

神経・血管損傷

手術操作や術後の腫れなどにより、周囲の神経や血管が損傷すること。足のしびれや麻痺として現れることがあるが、多くは時間と共に回復する。

術中・術直後

人工関節のゆるみ・摩耗

長期間の使用により、人工関節の部品がすり減ったり(摩耗)、骨との固定が緩んだりすること。痛みの原因となり、最終的に再置換術が必要になる。

術後長期(10年〜20年後など)

人工関節周囲骨折

転倒などで、人工関節の周囲の骨が折れること。骨粗鬆症の患者さんでリスクが高くなる。

術後長期

 

2.関節温存手術(骨切り術など)の主なリスク

骨切り術は、自分の骨を活かす手術であるため、人工物特有のリスクはありませんが、「骨を切り、固定して治す」ことに関連するリスクがあります。

リスクの種類

概要と特徴

発生時期

骨癒合不全・遷延

切り離した骨片がくっつくのに時間がかかったり(遷延)、完全に付かないこと(不全)がある。このリスクは、骨切り術特有の最大のリスクであり、骨がつくまで荷重制限が必要になる。

術後早期〜中期(数ヶ月間)

矯正不足・過矯正

骨の角度調整が不十分であったり、過剰であったりすることで、術後に痛みが残る、または変形が再発・進行する可能性がある。手術の成功が、術前の綿密な計画と正確な手術手技に大きく左右される。

術後早期〜長期

金属除去術(抜釘術)の必要性

骨の固定に使用したプレートやスクリューは、骨が完全に癒合した後(通常1年〜1年半後)に、再度手術で取り除く必要がある(抜釘術)。

術後中期〜長期

関節機能の限界

関節そのものを交換するわけではないため、変形が進行している場合、THAほど劇的な痛みの改善や可動域の回復が得られない場合がある。

術後を通じて

血栓症・感染症

他の外科手術と同様に、深部静脈血栓症や手術部位の感染症のリスクは存在するが、人工関節を使用しないため、難治性の人工関節感染症のリスクはない。

術後早期

リスクの主な違い(まとめ)

リスク項目

人工股関節置換術(THA)

関節温存手術(骨切り術)

脱臼・ゆるみ

あり(人工物特有のリスク)

なし(自分の関節のため)

難治性感染症

あり(人工物感染は重篤)

なし(通常の感染症リスクのみ)

骨癒合不全

なし

あり(骨を切るため、治癒に時間がかかる)

追加手術

長期的に再置換術のリスクがある

抜釘術(金属除去)がほぼ必須

リハビリ期間

比較的早く荷重・歩行が可能

骨がつくまで(数ヶ月)荷重制限があるため、リハビリ期間が長い

適用年齢

主に中高年〜高齢者

主に若年者(50歳以下)

 

上記のように、手術にはいろいろなリスクが伴います。

手術を選択する前に一度ご相談いただければと思います。

 

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