足首を捻挫した際、「しっかり固定しなきゃ」「サポーターやテーピングでがっちり固めないと」と考えている方は多いのではないでしょうか。従来の考え方では、安静にして患部を動かさないことが最善とされてきました。しかし、近年ではこの考え方が変わりつつあります。専門的な視点から、なぜ過度な固定が必ずしも良いとは言えないのか、そして最新の捻挫ケアについてお話しします。
なぜ過度な固定が否定的に見直されているのか
長期間のサポーターやギプス、あるいは強固なテーピングによる固定は、一見すると患部を保護し、治癒を促すように思えます。しかし、実際には以下のようなデメリットが指摘されています。
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筋力低下と関節の硬直
安静にしすぎると、足首周りの筋肉が急速に衰えてしまいます。捻挫で痛めた靱帯を支えるのは筋肉の役割も大きいため、筋力が低下すると再発リスクが高まります。また、関節が動かなくなることで、柔軟性が失われ、正常な動きを取り戻すまでに時間がかかります。
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感覚情報の遮断
足首には、バランスを保つための重要な感覚(固有受容感覚)を司るセンサーが多数存在します。サポーターやテーピングなどで強く固定すると、この感覚情報が脳に伝わりにくくなります。結果として、足首の状態を正確に把握できなくなり、再びバランスを崩しやすくなるのです。
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歩行周期の乱れと重心バランスの崩れ
足首は歩く際に、地面からの衝撃を吸収し、身体を前へ進めるための重要な役割を担っています。しかし、固定によって足首の動きが制限されると、正常な歩行周期(歩く時の足の動きのサイクル)が崩れてしまいます。これにより、膝や股関節、さらには骨盤や背骨にも負担がかかり、姿勢や重心のバランスが崩れやすくなります。この状態が長く続くと、足首以外の場所に新たな痛みや不調を引き起こす可能性もあるのです。
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血行不良のリスク
締め付けの強いサポーターやテーピングは、血行を妨げる可能性があります。血行が悪くなると、炎症を抑えたり組織を修復したりするために必要な酸素や栄養素が十分に届かず、治癒が遅れる原因となります。
最新の捻挫ケア「動的安静」という考え方
では、捻挫した後はどうすれば良いのでしょうか。現在、多くの専門家が推奨しているのが、動的安静という考え方です。これは、まったく動かさないのではなく、痛みが出ない範囲で少しずつ動かし、血行を促し、機能を回復させていくというものです。
もちろん、捻挫直後の炎症が強い時期は、無理に動かすべきではありません。しかし、腫れや痛みが少し落ち着いてきたら、以下のことを試すことが推奨されます。
- 段階的な荷重 歩行が可能な範囲で、少しずつ足に体重をかけていきます。痛みが強すぎる場合は無理をせず、松葉杖の使用を検討しましょう。
- 可動域訓練 椅子に座った状態で、足首をゆっくりと上下左右に動かすストレッチを行います。無理のない範囲で少しずつ可動域を広げていくことが大切ですし、正常な歩行周期を取り戻すための第一歩となります。
- 筋力トレーニング ゴムバンドなどを使って、足首周りの筋肉を鍛えるトレーニングも有効です。安定した足首を取り戻すために、再発防止の観点からも非常に重要です。
固定が必要なケースと正しいサポーター・テーピングの使い方
ただし、すべてのケースで固定が不要というわけではありません。骨折が疑われる場合は、専門医の判断のもと、一時的にギプスなどでしっかり固定する必要があります。
サポーターやテーピングも、正しく使えば有効なツールです。
- 適切な使い方 足首の動きを完全に止めてしまうような強固なものではなく、サポートしつつも可動域をある程度確保できるものを選ぶことがポイントです。
- 使用するタイミング 運動を再開する際や、長時間歩く際など、足首に不安がある時だけ限定的に使用するのが良いでしょう。日常生活で常に装着していると、筋肉の衰えを招く原因となります。
まとめ
足首の捻挫は、適切な処置とリハビリを行うことで、元の状態に回復させることが可能です。しかし、昔ながらの「とにかく安静、徹底的に固定」という考え方では、かえって治癒を遅らせたり、再発のリスクを高めたりする可能性があります。
専門家と相談しながら、少しずつ足首を動かし、本来の機能を回復させるリハビリテーションを積極的に行っていくことが、早期回復と再発防止の鍵となります。
当院では、この動的安静に基づいた最新の治療法を取り入れることで、急性期の足首の捻挫であっても早期復帰が可能になっています。もし捻挫をしてどうすればいいか迷っているなら、一度当院にご相談ください。
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