誰もが一度は経験するかもしれない「足首の捻挫」について、そしてその後の処置、特に「長期の固定」が抱える意外なリスクについてお話したいと思います。
1. 「たかが捻挫」と侮るなかれ:足首の捻挫とは?
「捻挫」と聞くと、多くの人は「ちょっと足をひねっただけ」と軽視しがちです。しかし、医学的には、捻挫は関節を構成する靭帯や関節包、軟骨などが損傷した状態を指します。足首の捻挫は、外側にある靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯など)が損傷することがほとんどで、特に前距腓靭帯の損傷が最も一般的です。
捻挫の重症度は、靭帯の損傷の程度によって3段階に分けられます。
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I度(軽症): 靭帯が部分的に伸びた状態。腫れや痛みは軽度で、歩行も比較的可能です。
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II度(中等症): 靭帯が部分的に断裂した状態。腫れや内出血が見られ、痛みも強く、歩行が困難になることがあります。
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III度(重症): 靭帯が完全に断裂した状態。強い腫れと内出血、激しい痛みを伴い、関節が不安定になります。自力での歩行はほぼ不可能です。
このように、捻挫はただの「ひねり」ではなく、靭帯という重要な組織が損傷している状態なのです。適切な処置を怠ると、痛みが長引くだけでなく、関節の不安定性が残ってしまい、再発を繰り返す「慢性的な捻挫」につながる可能性もあります。
2.「長期固定」は要注意!
捻挫をした際、初期の処置として「RICE」処置が推奨されます。
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Rest(安静):患部を動かさないようにします。
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Ice(冷却):患部を冷やして炎症を抑えます。
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Compression(圧迫):テーピングや包帯で圧迫し、腫れを抑えます。
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Elevation(挙上):患部を心臓より高い位置に上げて、腫れを抑えます。
このRICE処置の中でも特に重要なのが「安静」と「圧迫」であり、ギプスやサポーター、テーピングなどを用いて患部を固定します。これは、損傷した靭帯が治癒するまでの間、余計な動きをさせないことで、さらなる損傷を防ぎ、治癒を促すために非常に効果的な処置です。
しかし、この「固定」が長期間にわたる場合、思わぬ問題を引き起こすことがあります。
3. なぜ長期の固定が復帰を遅らせるのか?そのメカニズム
「せっかく固定して治したのに、なぜ復帰が遅れるの?」と疑問に思われるかもしれません。その原因は主に以下の3つに集約されます。
(1) 関節の可動域制限と筋肉の萎縮
ギプスなどで長期間固定された関節は、動かさないことによって、関節包や周囲の軟部組織が硬くなり、本来の柔軟性を失ってしまいます。これを「拘縮」と呼びます。
捻挫をすると、足首を上下左右に動かすことが痛くて難しくなりますが、長期固定は意図的にこの動きを制限します。その結果、固定を外した後も足首の動きが悪くなり、歩く、走る、跳ぶといった動作がスムーズに行えなくなります。特に、足首を上に反らす「背屈」という動きが制限されることが多く、これは歩行時のつまずきの原因にもなります。
また、動かさない期間が長くなると、周囲の筋肉も使われなくなり、筋力が低下(萎縮)します。特に、下腿の筋肉(腓骨筋群、前脛骨筋など)は、足首の安定性や動きに深く関わっており、これらの筋力が低下すると、さらに足首の不安定性が増し、再捻挫のリスクが高まります。
(2) 筋・腱の滑走性の低下と組織の癒着
通常、筋肉や腱、そしてその周囲の組織は、お互いに滑らかに動くことで、スムーズな関節の動きを可能にしています。しかし、長期間動かさないと、これらの組織がくっつき合ってしまい、動きが悪くなります。これを「癒着」と呼びます。
癒着が起こると、足首を動かそうとしたときに、本来滑らかに動くはずの組織が引っ張られ、痛みや違和感が生じます。この癒着を剥がすためには、理学療法やストレッチなどが必要となり、それ自体がリハビリテーションの時間を長引かせる原因となります。
(3) 固有受容感覚の低下
足首の関節には、「固有受容感覚」と呼ばれる感覚器官が多数存在します。これは、足首が今どのような角度で、どのような動きをしているかを脳に伝える、いわば「関節の位置センサー」のようなものです。この感覚のおかげで、私たちはバランスを保ったり、不安定な地面の上でも転ばずに歩いたりすることができます。
捻挫によって靭帯が損傷すると、この固有受容感覚も一時的に低下します。そして、長期間の固定は、この感覚をさらに鈍らせてしまいます。固定を外した後に、地面の凹凸に対応できずにバランスを崩したり、再捻挫をしたりするのは、この固有受容感覚の低下が一つの原因です。スポーツ復帰を目指す上では、この感覚を再教育することが非常に重要となります。
4. 適切な「動的固定」とリハビリの重要性
Sprout整骨院では、足首の捻挫に対して、漫然と長期固定を行うことは推奨していません。損傷の程度を正確に評価し、必要最低限の期間で固定を行います。そして、痛みや腫れが落ち着き始めたら、できるだけ早く「動的固定」へと移行し、リハビリテーションを開始します。
「動的固定」とは、完全に固定するのではなく、患部の保護をしながらも、関節の動きを少しずつ促していく方法です。これにより、拘縮や筋力低下を防ぎつつ、治癒を促します。
リハビリテーションでは、まず可動域の改善、そして筋力トレーニング、固有受容感覚の再教育を行います。
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可動域改善: ストレッチや手技療法によって、硬くなった関節や筋肉をほぐします。
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筋力トレーニング: 足首を支える筋肉を中心に、段階的に筋力を回復させます。
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固有受容感覚の再教育: バランスボードや不安定な場所でのトレーニングを通して、足首のセンサー機能を高めます。
これらのリハビリテーションを段階的に、そして計画的に行うことで、ただ痛みがなくなっただけでなく、「以前よりも強い足首」を目指すことができます。
5. まとめ:捻挫は「治して終わり」ではなく「リハビリからが本番」
足首の捻挫は、軽視されがちですが、その後の処置とリハビリが非常に重要です。闇雲に長期間固定してしまうと、関節の動きが悪くなり、筋力が低下し、感覚も鈍ってしまい、結果的に復帰が遅れてしまうだけでなく、再発しやすい足首になってしまうリスクがあります。
捻挫をしてしまったら、まずは専門家である私たちSprout整骨院にご相談ください。あなたの捻挫の程度を正確に診断し、固定期間を最小限に抑えつつ、早期復帰に向けた最適なリハビリテーションプランをご提案します。
「たかが捻挫」ではなく、「しっかりと治して、より強い足首へ」。私たちは、皆さんが安心してスポーツや日常生活に復帰できるよう、全力でサポートします。お気軽にご来院ください。
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