ランニング中に膝の外側が痛む…そんな症状に悩まされている方、もしかしたらその痛みの根本原因は膝ではなく、お尻の筋肉にあるかもしれません。今回は、ランナー膝(腸脛靭帯炎)と深く関わる中臀筋に焦点を当て、その意外な関係性と、具体的な改善策について徹底解説します。
ランナー膝の正体と中臀筋の意外な関係
ランナー膝は、太ももの外側にある腸脛靭帯が、膝の外側で骨とこすれて炎症を起こすことで痛みが生じます。この摩擦は、膝が内側にブレる「ニーイン」という動きが繰り返されることによって悪化します。
では、なぜ膝が内側にブレてしまうのでしょうか?その答えこそが中臀筋の機能不全です。
中臀筋は、お尻の横にある筋肉で、主に股関節を外側に広げる(外転)動きと、ランニング中に骨盤を安定させる役割を担っています。
この中臀筋の筋力が低下すると、ランニングの着地時に骨盤が外側に傾き、身体の重心が不安定になります。この不安定さを補おうと、太ももの内転筋や大腿四頭筋といった他の筋肉が過剰に働き、結果として膝が内側に引き寄せられるような動き(ニーイン)が起きてしまいます。
想像してみてください。柔らかい地盤の上に家を建てると、少しの揺れでも家全体が傾きますよね。それと同じように、骨盤という「土台」が不安定だと、膝という「柱」がグラグラと揺れてしまい、腸脛靭帯に不必要な摩擦が生じてしまうのです。
つまり、ランニングフォームを乱し、ランナー膝を引き起こす根本原因は、実は膝ではなく中臀筋の筋力不足にあることが多いのです。
中臀筋が弱くなる原因は?
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長時間のデスクワーク: 座りっぱなしの生活は、中臀筋をほとんど使わないため、筋力が衰え、短く硬くなりがちです。
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ランニングフォーム: 一部のランナーは、膝が内側に入りやすい走り方をしていることがあります。これは中臀筋を十分に活用できていないサインです。
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ストレッチ不足: 股関節周りの柔軟性が低下していると、中臀筋の働きも制限されてしまいます。
中臀筋の機能を取り戻すための具体的な改善策
ランナー膝を根本から改善し、再発を防ぐためには、中臀筋の筋力強化と柔軟性の向上が不可欠です。以下に、ご自宅でもできる効果的なエクササイズをご紹介します。
1. 中臀筋を意識した筋力トレーニング
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クラムシェル(Clamshell):
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横向きになり、両膝を曲げて重ねます。
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お尻に力を入れながら、上の膝を真上に向かってゆっくりと開きます。
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この時、骨盤が後ろに倒れないように注意しましょう。
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10回を1セットとして、左右それぞれ2〜3セット行います。
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サイドヒップリフト(Side Hip Lift):
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横向きになり、肘を肩の下に置きます。
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足はまっすぐ伸ばすか、少し曲げてもOKです。
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お尻に力を入れ、骨盤を真上に持ち上げます。
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この姿勢を10〜30秒キープします。
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左右それぞれ2〜3セット行います。
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2. 股関節周りのストレッチとリリース
ランニング前後のストレッチには、動的ストレッチがおすすめです。
静的ストレッチ(筋肉をゆっくり伸ばし、その姿勢を数秒間キープする方法)は、筋肉をリラックスさせる効果がありますが、ランニング前の静的ストレッチはかえって筋力を一時的に低下させるという研究報告もあります。
一方、動的ストレッチは、関節を動かしながら筋肉を伸ばすことで、柔軟性を高めつつ、筋肉を温めて運動に適した状態に整えることができます。
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動的ストレッチの例:
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脚を前後に振る運動: 姿勢をまっすぐ保ちながら、片方の脚を前後に軽く振ります。
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腰回し: 股関節を大きく回すように腰を回します。
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フォームローラーは、手軽にセルフケアができる便利なツールですが、使い方を間違えると逆効果になることもあります。特に、膝の外側にある腸脛靭帯へのフォームローラーの使用には、注意が必要です。
【フォームローラーの注意点:やりすぎは逆効果!】
「痛いほど効く」と思われがちですが、それは大きな間違いです。フォームローラーは、筋肉や筋膜を圧迫して硬さをリリース(解放)するために使います。しかし、腸脛靭帯そのものをゴリゴリと強く圧迫しすぎるのは、かえって炎症を悪化させるリスクがあります。
腸脛靭帯は非常に硬い組織で、強い圧力をかけても簡単には伸びません。強い力でゴリゴリと転がしすぎると、かえって組織を傷つけ、痛みを増幅させてしまう可能性があるのです。
正しいフォームローラーの使い方
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痛みのない範囲で優しく: フォームローラーは、筋肉のリリースが目的です。痛みが強すぎる場合は、少し圧力を弱めるか、体重のかけ方を変えてみましょう。
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ゆっくりと動かす: 早い動きは筋肉が緊張し、かえって硬くなってしまいます。深呼吸をしながら、1〜2センチずつゆっくりと転がしましょう。
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痛みがある場所を直接ゴリゴリしない: 痛む部分の「すぐ上」や「すぐ下」にある筋肉をほぐすことが重要です。特に、膝の外側ではなく、**股関節の横(中臀筋)**や太ももの前、裏側をほぐすことに時間をかけましょう。
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時間をかけすぎない: 同じ場所に何分も圧をかけ続ける必要はありません。1つの部位につき、30秒から1分程度を目安にしましょう。
フォームローラーは、身体をケアするためのツールです。痛みを感じながら無理やり行うのではなく、身体がリラックスできる範囲で優しく使いましょう。
専門家による診断と治療の重要性
これらのエクササイズは、中臀筋の機能を改善するのに非常に効果的ですが、痛みが強い場合は、無理に行わないでください。自己流のトレーニングは、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
当院では、まず患者様のランニングフォームや歩行、骨盤の状態を詳細に分析します。そして、根本原因である中臀筋の筋力不足や硬さに特化した施術とトレーニング指導を行います。
もしあなたがランナー膝に悩んでいるなら、まずは痛みの根本原因がどこにあるのかを専門家と一緒に探ってみませんか?
一緒に、痛みから解放された最高のランニングライフを取り戻しましょう!🏃♀️✨
院情報
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