バレエダンサーやサッカー選手など、足首を極限まで伸ばす(底屈する)動作を繰り返すアスリートを悩ませる「三角骨障害(有痛性三角骨障害)」。
病院で「骨が挟まっていますね」「手術で取り除くしかない」と言われ、不安に感じている方もいるかもしれません。しかし、結論から言えば、三角骨障害の多くは手術をしなくても改善することが可能です。
なぜ、骨があるのに手術なしで痛みが消えるのか?その真実と、手術を回避するための「根本治療の鍵」を解説します。
誤解しないで!痛みの「真犯人」は三角骨ではないかもしれない
三角骨障害は、足首の関節の後ろに存在する「三角骨」と呼ばれる小さな過剰骨(または距骨の一部)が、足首を伸ばした際に周りの組織に挟まり、炎症を起こすことで痛みが生じます。
しかし、レントゲンで三角骨が見つかったからといって、その骨自体が痛みの真犯人とは限りません。
痛みの本当の原因は「足首や背骨」にあるかも!
専門的な治療現場では、三角骨障害と診断された患者さんの多くが、実は以下の組織の炎症や、全身の「機能的な問題」が原因で痛みを発していることがわかっています。
1.長母趾屈筋腱(ちょうぼしくっきんけん)の腱鞘炎
- この腱は親指を曲げる筋肉で、三角骨の近くを通っています。バレエのポワントやサッカーのキックなど、つま先を伸ばす動作ではこの腱が酷使されます。
- 腱が炎症を起こしたり、腱を包む鞘(腱鞘)が硬くなったりすることで、三角骨周辺と同じ場所に強い痛みや引っかかりを感じます。この腱鞘炎が治るだけで、痛みは劇的に消失するケースが多くあります。
2.足首周囲の筋肉の過度な緊張と局所的な歪み
- 下腿や足裏の筋肉が極度に硬くなっていると、足首の関節にねじれや不自然な圧力がかかり、結果的に三角骨の周辺組織に炎症を発生させます。
3.背骨の歪みと全身の重心バランスの崩れ
- スポーツでの動作は、足首だけでなく体幹全体で行われます。骨盤や背骨に歪みがあると、体全体の重心バランスが崩れ、それを代償するために足首や下腿の筋肉に過剰な負担がかかります。特に片足での踏み込みが多い動作では、この全身の歪みが足首へのストレスを増大させる隠れた真犯人となります。
つまり、骨があること自体は問題ではなく、「骨の周りの軟部組織の炎症」や「全身の歪みによる機能不全」こそが痛みの原因なのです。だからこそ、手術で骨を取らなくても、保存療法で痛みが解消されるのです。
️ 手術を回避する!「根本改善」のための3つのステップ
「手術しかない」と言われた場合でも、まずはこの3つのステップで数ヶ月間の集中的な保存療法に取り組むべきです。
ステップ1:全身の歪みをチェックし、根本的な負荷を軽減
- 姿勢と動作の修正: 足首だけでなく、骨盤や背骨の歪み、体幹の使い方をチェックし、重心が安定する正しいフォームへ修正します。
- インソールなどによる調整: 足底板(インソール)を用いて、足のアーチをサポートし、接地時の衝撃や足首にかかる不均一な負荷を軽減します。
ステップ2:痛い動作の制限と腱・関節の柔軟性回復
痛みの真犯人である腱の炎症を鎮め、再発を防ぐには柔軟性が不可欠です。
- 痛い動作の制限: 痛みを誘発する足首の底屈動作を一時的に制限し、炎症を鎮めつつ、痛みのない動作は行う。
- 長母趾屈筋腱のリリース: 専門家の指導のもと、硬くなっている腱や腱鞘周りの組織を緩める治療を行い、引っかかりを解消します。
ステップ3:機能的な安定性の強化
痛みが治まったら、再発しない強い身体を作ります。
- 筋力強化: 足首周囲だけでなく、股関節や体幹の安定性を高めるトレーニングを行い、全身で衝撃を吸収・分散できる機能を取り戻します。
手術はいつ考えるべき?
手術を検討するのは、保存療法で改善が見られない場合の最終手段です。
- 数ヶ月以上(一般的に3ヶ月〜6ヶ月)の専門的な保存療法(安静、注射、リハビリ含む)を継続しても、痛みが全く改善しない場合。
- 痛みにより、日常生活や競技復帰が物理的に不可能であると判断される場合。
三角骨の診断を受けても、まずは「手術なしで治る可能性」を信じて、全身のバランスを見直した根本的なリハビリに取り組むことが、賢明な選択と言えるでしょう。
主な手術方法
現在、三角骨障害の手術は、身体への負担が少ない関節鏡視下手術(内視鏡手術)が主流です。
- 鏡視下三角骨切除術: アキレス腱の両側に小さな傷(約5mm~7mm程度)をつけ、内視鏡と専用器具を用いて、痛みのもとになっている三角骨(または骨片)を切除します。
- 長母趾屈筋腱の処置: 多くのケースで、同時に長母趾屈筋腱の炎症(腱鞘炎)に対する腱鞘の切開なども行い、腱の引っかかりを解除します。
手術後の回復は比較的早く、リハビリを経て術後1〜2ヶ月程度でのスポーツ復帰を目指すことが可能です。
結論として、三角骨障害の診断を受けても、まずは保存療法を徹底することが重要です。手術は保存療法で改善が見られない場合の「最終手段」と位置付けられます。
当院では三角骨障害を手術ではなく徒手療法で治療をしております。手術なしで治療したい方、ぜひ1度ご相談いただければと思います。
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