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〜再発、後遺症、そして「癒着」のリスク〜

椎間板ヘルニアに対する手術は、激しい痛みや麻痺、排泄障害などの重篤な症状を抱える患者さんにとって、症状を劇的に改善させる有効な手段です。しかし、全ての外科的処置がそうであるように、椎間板ヘルニアの手術もまた、避けがたいリスクとデメリットを伴います。特に、安易に手術を選択したり、術後のケアを怠ったりすると、症状の根本的な解決には至らず、かえって新たな苦痛を招くことになりかねません。

本稿では、椎間板ヘルニアの手術を検討する上で、患者さんが深く理解しておくべき主要なデメリットについて、そのメカニズムと具体的なリスクを詳細に解説します。

 

1章:手術に伴う合併症と術後特有のリスク

椎間板ヘルニアの手術は、脊椎という体の根幹に近接した部位で行われるため、一般的な手術リスクに加えて、脊椎手術特有の合併症が存在します。

1.1. 神経損傷と麻痺のリスク

手術の目的は、飛び出した椎間板(ヘルニア)が神経根を圧迫している部分を取り除くことにありますが、手術操作の過程で、非常にデリケートな神経組織を損傷するリスクはゼロではありません。万が一、神経が損傷した場合、術後にしびれや痛みが残存するだけでなく、足首から下が垂れ下がる下垂足(かすいそく)と呼ばれる運動麻痺や、感覚の鈍麻といった深刻な後遺症につながる可能性があります。特に、神経が長期間圧迫されていた場合、手術で圧迫が取り除かれても、神経の回復に時間がかかったり、完全に回復しなかったりするケースもあります。

1.2. 硬膜損傷と髄液漏れ

脊髄や神経根を包んでいる膜を硬膜(こうまく)と呼びます。ヘルニアの摘出中に、この硬膜が損傷を受けると、中に流れている髄液(脳脊髄液)が漏れる「髄液漏れ」が発生する可能性があります。多くの場合、硬膜の修復や安静臥床によって改善しますが、髄液漏れが続くと、頭痛や吐き気などの症状を引き起こしたり、術後の感染リスクを高めたりする原因となります。

1.3. 術後の感染症と血栓症

開放手術であれ、内視鏡手術であれ、術後の感染症(術創の化膿、化膿性脊椎炎など)のリスクは存在します。また、手術後に長時間同じ体勢でいることなどから、特に下肢の血管内に血の塊(血栓)ができる深部静脈血栓症(DVT)のリスクも高まります。この血栓が肺に流れ込むと、肺塞栓症という命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、予防的な対策が必要です。

 

2章:椎間板ヘルニア手術特有の長期的なデメリット

手術の成功は目の前の痛みやしびれを取り除くことかもしれませんが、椎間板ヘルニアの手術には、長期的な視点から見た、さらに重要なデメリットが存在します。

2.1. 術後の瘢痕組織(はんこんそしき)形成と癒着(ゆちゃく)

ヘルニア摘出手術の後に、手術で切開・損傷した組織が治癒する過程で、瘢痕組織(傷跡の組織)が形成されます。この瘢痕組織が、周囲の神経根と絡みつき、癒着を起こすことがあります。神経が瘢痕組織に固着してしまうと、体動時に神経が引き延ばされて痛みを発生させる原因となります。これが、手術後も痛みが残ったり、新たに出現したりする「脊椎手術後症候群(FBSS:Failed Back Surgery Syndrome)」の一因となるのです。

2.2. ヘルニアの再発リスク

椎間板ヘルニアの手術は、飛び出して神経を圧迫している髄核の一部を摘出するものであり、椎間板自体の損傷や変性を根本的に修復するものではありません。そのため、摘出しきれなかった残りの椎間板組織が再び突出したり、同じ椎間板の線維輪に新たな亀裂が生じたりすることで、ヘルニアが再発するリスクを常に抱えることになります。

再発率は手術の方法によって異なりますが、数%から10%程度の再発率が報告されており、特に術後数ヶ月以内の無理な動作は再発リスクを高めるとされています。再発した場合、再び激しい痛みに襲われ、再度の手術が必要となることも少なくありませんが、2回目の手術は初回に比べて瘢痕組織の影響などで難易度が格段に上がると言われています。

2.3. 隣接椎間障害(ADS)のリスク増大

ヘルニア手術によって、患部の椎間板は物理的にそのクッション性や安定性を一部失います。これにより、手術した椎間板が負担を十分に吸収できなくなり、その上下に隣接する椎間板に過剰な負担が集中することがあります。この過剰な負担が原因で、隣接する椎間板に変性やヘルニア、または不安定性(隣接椎間障害:ADS)が発生するリスクが高まります。これは、手術によって一つの問題を解決した結果、時間差で別の問題を引き起こす可能性があることを示唆しています。

 

 入院期間とリハビリ期間を詳しく

手術のデメリットは、身体的なリスクだけに留まりません。回復には一定の時間を要し、それに伴う生活への影響も重要なデメリットとなります。

 入院期間の目安:手術方法による大きな差

椎間板ヘルニアの手術における入院期間は、主に採用される手術術式によって大きく異なります。

術式

侵襲度

入院期間の目安

特徴

内視鏡下手術(MED/FED)

最小限

3日~1週間程度

傷が小さく、筋肉の損傷も少ないため、早期退院が可能。

顕微鏡下手術(MD)

1週間~2週間程度

スタンダードな手術方法。内視鏡手術よりもやや入院期間が長くなる傾向。

椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)

最小限(注射)

半日~2日程度

注射のみでヘルニアを治療するため、入院期間はごく短く済む。

内視鏡やレーザーを用いた低侵襲手術の進歩により、入院期間は年々短縮される傾向にあります。しかし、入院が短期間であっても、退院後すぐに手術前の生活に戻れるわけではなく、自宅での安静やリハビリ期間が必要となります。

長期にわたるリハビリテーション期間の必要性

手術でヘルニアを取り除いたとしても、痛みやしびれを長期間経験したことにより、腰周りの筋肉は弱くなったり、硬くなったりしています。また、手術で椎間板を触っている以上、再発リスクを抑えるための体幹の安定化訓練が不可欠です。

段階

期間の目安

リハビリテーションの主な内容と制限

急性期(術後直後~1週間)

術後翌日~

早期離床(ベッド上でのリハビリ、歩行器を用いた歩行開始)。深部静脈血栓症予防のための足首運動。

回復期(術後1週間~1ヶ月)

退院後~

日常生活動作の練習。体幹の**インナーマッスル(ドローインなど)**の再教育、軽いストレッチ。重い物を持つ、腰をひねる動作は厳しく制限される。

強化期(術後1ヶ月~3ヶ月)

1ヶ月後~

本格的な体幹筋力強化、姿勢・バランス訓練。デスクワークなどの軽作業復帰の目安。ジョギングなどの軽い運動を徐々に開始。

社会復帰期(術後3ヶ月~6ヶ月)

3ヶ月後~

肉体労働、重労働、激しいスポーツへの完全復帰を目指す。再発予防のためのセルフケア指導を徹底。

特に、リハビリテーションは最低でも3ヶ月間は継続して行うことが、再発予防と長期的な機能回復のために極めて重要です。この期間中、患者さんは週に1回程度の通院リハビリに加え、自宅でのホームエクササイズを欠かさず行う必要があります。このリハビリへの時間と労力の投資が、手術を選択する上で無視できない大きなコストとなります。

仕事・社会復帰までの期間:職種による大きな差

仕事への復帰時期は、手術の種類と個人の回復力に加え、職種によって大きく異なります。

  • デスクワーク・事務職:
    • 内視鏡手術の場合、術後1~2週間で復帰できるケースが多い。
  • 軽作業・サービス業:
    • 術後1ヶ月を目安に復帰を検討。
  • 肉体労働・重労働(長時間の運転含む):
    • 椎間板に大きな負荷がかかるため、術後2~3ヶ月のリハビリ期間を経てからの復帰が推奨される。早期復帰は再発リスクを大幅に高めるため、極めて慎重な判断が必要。

手術を選択するということは、この入院・リハビリ期間中の収入減や、同僚・会社への負担を考慮する必要があるという、経済的・社会的なデメリットを負うことと同義です

 

3章:手術がもたらす心理的・経済的・社会的な影響

手術のデメリットは、身体的なリスクだけに留まりません。

3.1. 症状改善の限界と心理的な失望

手術を受けたからといって、痛みやしびれが「ゼロ」になるとは限りません。神経の損傷期間が長かった場合や、先に述べた瘢痕組織の形成などにより、症状が完全には改善せず、痛みが残存するケースがあります。高額な費用と大きな決断を伴った手術にもかかわらず、期待した効果が得られなかった場合の心理的な失望は、患者さんのQOL(生活の質)に大きな影響を与え、長期的なうつ症状や精神的な不調につながる可能性もあります。

3.2. 経済的・社会的なコスト

手術には入院期間が必要であり、その後のリハビリテーションを含めると、仕事や日常生活に長期間の制限が生じます。また、手術費用、入院費、リハビリ費用などは高額になりがちです(保険適用や手術方法によって異なる)。これらの経済的、社会的なコストは、手術を選択する上で無視できない大きなデメリットと言えます。

結論:手術は最終手段として慎重に選択すべき

椎間板ヘルニアの治療において、約90%以上の症例は、薬物療法、神経ブロック注射、そして適切なリハビリテーションといった保存療法によって改善するとされています。手術は、保存療法で効果が見られない場合や、排泄障害などの緊急性の高い重篤な症状がある場合に限り、最終手段として検討されるべきです。

手術のメリット(痛みの即時的軽減)と、ここで詳述したデメリット(再発、神経損傷、癒着、ADS、心理的負担など)を、主治医から十分に説明を受け、セカンドオピニオンも活用しながら、自身の状態と将来の生活を見据えた上で、最もリスクの少ない賢明な選択をすることが、椎間板ヘルニアとの闘いにおける最重要ポイントとなります。

やはり手術は最終手段として考えることをおすすめします。椎間板ヘルニアの手術をお考えの方がいましたら、その前に1度当院の施術を受けていただければと思います。

 

院情報

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